上手な使い方 ~シャンプー編~

石けんで快適なシャンプーを

石けんでシャンプーができますと言うと、驚かれるお客様が少なくありません。まず先入観からして「石けんで髪の毛を洗うなんて傷みそう」とか、「おじさんみたい」と思っていらっしゃる方も多いかもしれませんが、そんなことはありませんよ。髪の毛と頭皮に最も優しく洗い上げるのは石けんなのです。市販のシャンプーはポンプ式ボトルに入った液体がほとんどで、その中身は髪にダメージを与える合成洗剤がほとんどです。



石けんシャンプーで髪がキシむのは合成洗剤で傷んでしまっているからです

合成洗剤のシャンプーが身体に良くないことを知って、過去に石けんシャンプーにチャレンジしたけれど、髪がギシギシになって続かなかった、という方もたくさんいらっしゃると思います。でもそれは、石けんでシャンプーをしたからではありません。髪の毛が合成洗剤のシャンプー、リンス、パーマ、ヘアカラーなどによってダメージが蓄積し、キューティクルがボロボロになってしまっているのです。

合成洗剤のシャンプーでキシまない理由は、シリコンやポリマーといった物質でコーティング(タンパク質と結合)することによって、乾かした時にサラっと仕上がるよう に感じるからです。(合成シャンプーが肩など肌に付いたらヌルヌルします。それがシリコンやポリマーです。)あたかも髪自体が健康に美しくなったかのうように感じますが、これは大きな間違いです。そして石けんのせいでギシギシするのではなく、石けんが髪の毛と頭皮のコーティング剤を取り除いた結果、傷んだ髪が剥き出しになり、ギシギシしてしまったのです。

その証拠に、私がはじめて石けんシャンプーに切り替えた時は確かにギシギシした髪の毛も、その後伸びてきた髪はまったくキシみませんでした。現在石けんシャンプー歴は10年を超えましたが、洗い上がりサラサラの腰のある髪の毛です。赤ちゃんのいらっしゃるご家族はよくわかると思いますが、頭も石けんで洗いますよね。それでもギシギシしないでしょう?それは産まれてから一度も合成洗剤の シャンプーを使っていないからです。それこそ本物の健康で美しい髪です。これからもずっと石けんでシャンプーをしてあげてください。



高品質な石けんなら、大丈夫!

では、石けんでシャンプーするとみんな髪の毛がギシギシするのか?と心配されるかもしれませんが、そうとも限りません。ひとくちに石けんと言っても、原料や製法によってピンからキリまであります。皮脂を取りすぎて潤いを完全に洗い流してしまうような石けんですと、ギシギシもより酷くなります。オラン・ク・オランの石けんは非常に保湿効果が高く、髪に潤いを残して洗うことができます。質の良い石けんで洗うと、今まで石けんシャンプーをあきらめていた方でも快適に洗うことができるのだと実感して頂けると思います。初めて石けんシャンプーにトライされるという方は、オラン・ク・オランの石けんでも多少のキシみを感じろかと思いますが、最も保湿成分を贅沢に配合したオレンジをご利用ください。しばらく石けんでのシャンプーを続けていると、次第に髪の毛がなじんで石けんで快適にシャンプーが出来るようになります。



オレンジまたはハニーがオススメ

オレンジには、アボカドオイルに加えて、ココナッツクリームも配合してあります。洗顔で使って頂くととってもしっとりするのを実感して頂けると思います。当然髪馴染みもよく、より洗いやすくなっております。 オレンジの名前ばかりが大きく書いてあるので忘れがちですが、オレンジ石けんにはニームという植物のオイルも贅沢に配合してあります。ニームはミラクルツリーと呼ばれ研究が進んでいますが、インドでは数千年も昔から歯磨き、胃薬、虫 除けなど、民間の治療薬として広く使われてきました。シャンプーに使用した場合は、フケの予防効果が報告されています。またオレンジ精油は、気分を明るくする爽やかな香りとともに、油汚れを良く取り去ります。皮膚の再生や、ハリを保つ効果も報告されています。オレンジの香りにニームオイルの持つナッツのような香りがプラスされ、独特の甘く爽やかな香りです。

ハニーも、非常に保湿が高く、またハチミツに水分をカバーして逃さない力がありますので、こちらも快適にシャンプーをして頂ける石けんになっております。



石けんシャンプーの使い方(たっぷり泡立てて!)

石けんでのシャンプーを心地よいものにするには、いくつかのコツがあります。髪を濡らす前のブラッシングとお湯だけの予洗いをしましょう。十分に髪が濡れたら、石けんを優しく髪にこすりつけてください。すぐに豊かな泡が出てきます。合成シャンプーからの切り替えてすぐの時期は特にたっぷりと泡立ててください。ちょうどよい泡の量というのは髪の長さや質によって異なります。自分なりの心地よい使用量を見つけてください。爪を立てず、指の腹で頭皮と髪の毛を優しく洗いましょう。洗い終わったら、たっぷりのお湯でしっかりとすすぎましょう。



ベタつき、白い粉が残る場合は… 手作りリンスをどうぞ

合成洗剤のリンスは、傷んだ髪の表面にシリコンやポリマーでコーティングしてしまうものです。石けんシャンプーのリンスは、これとは全く違う働きをするものなので、合成洗剤用のリンスは使わないでください。当店の石けんでシャンプーした方は、リンスは必要ないとおっしゃる方も多いのですが、洗い上がりの髪質に納得ができない場合や、ベタつき、白い粉が残る場合(石けんから出る遊離アルカリと髪表面の皮脂が反応し、脂肪酸塩=石けんカスが出来ます。これが白い粉です。)などは楽しみながらリンスを手作りしてみてください♪

一般的には、洗面器1杯くらいのお湯にクエン酸を小さじ1杯程度溶かして髪をゆすぐという方法です。これで弱アルカリ性になった髪の毛を弱酸性に戻してやることで、キシみやベタつき、白い粉の発生が抑えられます。髪の毛には量や質に個人差がありますので、自分に合った使い方を探すのをお勧めします。一度でばっちり合ったものを見つける方もいらっしゃいますが、2、3度試行錯誤をしてみて、使い心地の良いものを探しましょう。リンゴ酢などのフルーツ酢を使われても良いでしょう。季節やお好み、その日の気分によって使い分けては如何でしょうか。髪の毛が短い方などは特にリンスが必要ないという方も多いです。

髪の毛にお酢をつけるなんて気持ちが悪いとおっしゃる方も居ますが、化学畑の私から言わせれば、得体の知れない化学式の羅列が詰まった合成リンスの方がずっと気持ちが悪いです。イメージやパッケージの美しさに惑わされないでください。



どんなに小さなことからでも「始めること」が大切

お肌の改善を目指して始めることが、人生全部を良い方に変えることにつながります。すべてはつながっていることだからです。はじめから「すべてを変えよう」と意気込むと大変なように思えますが、何か始められることひとつでもかまいません。そのたったひとつの変化が良い循環を生み出し、気がつけばあれもこれも改善している、というのはよくあるパターンです。無理をせずできることから、とにかく第一歩を踏み出すことが大切です。



フケが出るのは頭皮が再生しているサイン

合成シャンプーから石けんシャンプーに切り替えたら、フケが出ることがあります。私もそうでした。これは、先述した合成シャンプーに含まれるシリコンやポリマーがコーティングしてしまっていた頭皮が解放され、新陳代謝によって傷んだ角質がはがれ落ちている証拠です。健康な頭皮に落ち着くまでのしばらくの時間が必要ですが、やがてなくなります。そうなればもう健康な髪と健康な地肌を取り戻したも同然。快適な石けんシャンプーライフをお楽しみください。



オレンジ、ハニー以外の石けんでもOK

はじめて石けんシャンプーをされる方にはオレンジかハニーをお勧めしますが、もちろんそれ以外の石けんでもOKです。頭皮の湿疹がある方にはカユプティも良いでしょう。使いやすいものを選択してください。

無添加手作り石けん専門店オラン・ク・オラン店主 橋本健一